1日目の様子

 開催の様子をお伝えしたい。

 と、その前にー

 このイベントの1週間後にジャパンビーフフェスティバルが控えていて、

2週連続でイベントだったため、猛烈な準備に追われていた。

開催にあたりプレスリリースを配信したのが、僅か10日前。下手すれば

何の盛り上がりも、成果もないまま終わるかもしれなかったと、今に

なって恐ろしくなった(笑)

 さて、1日目は11時に開始。試食に供する2種類の肉を炭火で焼き、

来場者に配布するスタイル。試食後はアンケートにお答え頂き、スキン

パックの周知を図る考えで予定していた。

 が、まず火が起きない(-_-;)現場の作業と並行して行っていたのだが、

なかなか火が安定せず、住友ベークライトの林くんにお任せしていたのだが、

林くんは生粋のインドア派。人生初レベルの火おこしに苦戦していて、結局

最後はガスバーナーで起こした。

 POPや販促物の準備を全くしていなかったので、お昼過ぎまでは閑古鳥(〃艸〃)

場所は店舗北側の駐車場で開催していたのであるが、入り口から少し離れていた事、

ぱっと見何をしているのか解らない状態で、何か売りつけられるんじゃないかと

思わんでもない感じに気が付くまで、そう時間は要しなかった…

 なんとか常連さんや、記者さんのお陰でポツポツと試食にいらして下さり、ようやく

活況を呈してきたのが1時半ごろ。この頃には炭の火力も安定し、スキンパックされた

神戸ビーフがどんどんと焼きあがっていく感じになっていた。

 普段の私は現場で作業している事がほとんどだったので、お客さんと会話したり、

生のご意見が伺えたりして、とても貴重な体験となった。グループで来られた主婦は、

今日の晩御飯を互いに披露していたり、どこのコロッケが美味しい、何時に行った

などまあ盛り上がっていて、延々聞いてられるわ、なんて思いながら肉を焼いていた。

 お客さんの声や行動を直に感じるのは、とても面白い。お客さんの行動のみが消費

を生み出すので、どうすれば行動(お買い物など)してもらえるのか、という商売の

本質を改めて学ぶことが出来た。

 試食は、はっきり言ってタダ。しかも神戸ビーフだ。にもかかわらず、人が来ない、

行動しないのにはそれなりの理由があるというのを実感した。人は自分が動くに値する

事象なのかを判断し行動する。そこに落とし込めるかどうかは、イベントの成功のみ

ならず、どんな商売にも共通する基本だと感じる。

 ただ、お願いすればけっこう聞いてくれたり、そのお願いも、ちゃんと聞けばそれって

意味あるの?的なお願いでも来てくれたりするので、有意識下での判断だけでは無く、

無意識下に働きかけても来てくれたりする。最初はほとんど来なかったのに、人が集まっている

のを見るとついつい行きたくなるのもその辺りが働いているかと思われる。

.

 事前に店頭でチラシを配布し、それを基に来て下さった方も結構いた。

「うらいでなんかやってるみたいやで。」

「神戸ビーフ食べれるねんて!」

こういうのも、行くという行動を起こす理由になっていた。

.

 順調に進んでいたマルシェに暗雲が立ち込めたのは、午後3時頃。

 それは余りに強烈だった・・・

 ふと、携帯を見る。そのタイミングで、ヤフーニュースが入ってきた。

『兵庫県加古川市で激しい雷雨の予想 1時間80mm』

 えっ?

 駐車場から西の空を見上げると、真っ黒な雨雲が近づいてきていた。

雲の中には、激しい稲光が見える。

 林くん、坂本さんと共に、

「これ、やばいんじゃね?」

「いや、大丈夫でしょー』

などと言いながら、念のため対策を進め、チラシを片づけたり、椅子をしまったり

していた、その時。

 遠くで風の音が聞こえたかと思ったその矢先、

 轟音と共に、雷雨はやって来た。

 みんなで顔を見合わせたのもつかの間。

 最初の数秒で、身体を持って行かれそうな強風が吹き荒れ、地面の小石が

凶器となって私の顔面に襲い掛かる。

 バチバチバチ!!!

ウオ…

 小石が目に入り、視界を遮られた私に、次の一手が襲い掛かる。

 テーブルに置いていた2ℓのお茶が倒れ、足の小指に直撃。

ウオ!

 目と足を攻撃され、自由の利かないところに先ほどの強風を凌ぐ暴風が

畳みかけてくる。

 次の瞬間、涙目の私にも見えるほどテントが浮き上がる。

あかーん!!

 とっさにテントの梁に手をかけ、重みを加える。林くん、坂本さんも

それに続く。

 大の男3人が、なかよく暴風の中、バンザイしながらテントを支える。

身体を打つ雨も激しさを増していき、3人で耐え忍んでいたその時、

お店から1人の女性が出てきたのが見えた。こちらに向かって来ている。

「早くテントの中に入って避難して下さい!!!」

必死に声を上げて伝える。

 腕で顔を隠しながら、小走りに女性が入ってきた。私は声をかける。

「凄い夕立ですね(;^_^A」

「びっくりしました~…お店を出たらこんな風になっているなんて思ってもみなくて。」

 そりゃそうだろう。つい10分前までは、青空も見えていた。

「雨が止むまで、ここで避難していてくださいね」

そう伝えると、女性の方は有難うございますといい、そして

「試食はまだですか?」

と、

聞いてきた。

.

うん、まだだよ。

今、無理。

そんなこんなで1日目は無事?に終了したのであった。

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