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全国津々浦々、お肉屋さんは沢山あるが、そこで働いている
人のソウルフードってなんだろう?を想像してみた、という回。
私の場合は、圧倒的に
コロッケ
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だ。これには勿論、理由がある。
今から20年以上前、当時まだうらいで勤めていなかった時に、
金銭的に非常に苦しい時期があった。結婚したてで、お金もない時に
うらいの親方(現会長)に、
「これ食え。」
と言って貰っていたあの味が、心に沁みたと同時に抜群に美味かったのだ。
今でもお昼ご飯で時々頂いているが、
「そうそう、この味やわ。」
と、当時を懐かしみ食べている。
美味しかったのは勿論だが、コロッケに対する考え方も好きに
なった理由の1つ。
コロッケを頂いたお礼と感想を伝えると、
「うちのコロッケはじゃが芋にこだわってるからなぁ。」
という返事が返ってきて、驚いた記憶がある。
コロッケと言えば、まあ肉屋の看板みたいなものだし、
肉自慢は数えきれないほど見聞きしてきたが、まさかじゃが芋
を一番に、肉屋の大将が答えるとは思いもよらなかったのだ。
また、この考えはとても理にかなっている。
コロッケを構成している中で、最も多いのは、
そう、じゃが芋。それを疎かにして、美味しさは語れないという
スタンスに感銘を受けた。
私は結構凝り性で、1度首を突っ込みだすととことんやらなきゃ
気が済まないたちなのだが、常識に囚われない、一見すると
奇想天外な取り組みにも見える、うらいのこだわりに
「こんな場所でお肉を極めてみたい。」と思ったものだ。
この辺りが、就職を決めた理由の1つでもある。
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お店の顔
全国のお肉屋さんが、ソウルフードにコロッケを選ぶかは
さておき、私の中でコロッケに対するもう一つの想いがある。
それは、【コロッケはお店の顔】
というもの。お肉屋さんの数あるメニューの中で、コロッケは
最も注文しやすいメニューではないだろうか。
高価なコロッケだと1つ数百円するものもあるが、おおよその
単価は100円までだと思う。おやつや、主菜・副菜と食卓で
大活躍して貰っている。まさにお店の顔だ。
最も手軽という事は、最も多くの方に自社の製品の中で
召し上がって頂いているという事実であり、それがお店の
印象に繋がるはず、という私の理論。
自社の製品の中で、利用者への接触頻度が高い
こういった製品をぬかることなく、期待通りの味で提供する
事がお店の格にも繋がると考えている。
また、この考えの元、他社さんを見学する指標にもしている。
コロッケ不味い店=ダメな店
これは割と通用する理論で、良いお店、繁盛店はコロッケに対し
抜かりが無い、というのが私の実感だ。
そういえば以前、神戸牛生産の重鎮で私も大変お世話になった方が、
「美味しい肉屋はコロッケが美味い。」と豪語されていたのを
思い出す。あそこの肉屋は~なんて、コロッケについて熱く語って
いた。それぞれの肉屋事情にも精通していて、生産者だからこそ
知り得る情報もあったのだろう。
このお方が、こんな情報も仰っていた。
「あそこの肉屋はなぁ、北海道の炭鉱跡で種イモを熟成させて
コロッケにしよる。だから美味いんや。」
そのお肉屋さんとは、恐らく兵庫県下で最も大きいY畜産さんで、
現在は解らないが当時はそのようにしていられたそうだ。やはり、良い
肉屋はコロッケに抜かりが無い。
因みに、和牛うらいでもじゃが芋の熟成は行っていて、これは会長の
信念でもある、
コロッケで大事なのは芋
を今も守り、進化させているからである。
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さて、この私がコロッケに抱いている感情は、当時の体験と
共に深く記憶に刻まれているのだが、ここまで重くなくとも
会社のみんなは、「ソウルフードと言えば?」と聞いたら、
コロッケです と答えてくれるのだろうか。。。
今度、アンケートをしてみようと思った次第である。
