この組み合わせは危険!

 という、肉職人20年の私が思う、ついつい食べ過ぎてしまう

組み合わせをいくつか書いてみる。危険なお肉の話。

【肉に卵黄

 良くある組み合わせだが、間違いない上手さ。

 卵自体の旨味と、卵の機能性である旨味を増強する呈味が

相乗効果となって爆弾と化す。卵の旨味はグルタミン酸が主な

うま味成分。牛肉に含まれる核酸系のイノシン酸と組み合わせは

最高です。更に野菜などで旨味を足せば、効果大!!

【ブリスケに葱ポン酢】

 軽く塩コショウしたブリスケを、溝付きのホットプレートで

さっと強火で片面だけ焼く。溝付き、と言うのがポイントでなければ

出来る限り脂を引かなくても焼けるフランパンでさっとだけ焼く。

片面は強火で焼き色がつき、見えている面はほんのりとピンク色

程度の火入れがお勧め。

 焼きあがったらたっぷりのポン酢と小口切りの葱を巻く。

そして口に運び、頬張る。次に、湯気の立つ炊き立ての白ご飯を頬張る。

この繰り返しでどんぶり軽く2杯はイケる。

 ブリスケの持つ、脂と肉の甘みをポン酢が引き締め、葱の旨味がそれを

更に後押しするだろう。この組み合わせは私が一番好きだったりする

組み合わせだ。

【豚バラ肉になめこ】

 これは組み合わせも重要だが、調理方法も重要。

 蒸し煮にする、というのがポイント。蒸す液体は、特に柑橘系が良い。

カボスやスダチの完熟したものが私の試した中では最も適していると感じた。

完熟したものなら、価格もこなれていて使い易い。味付けは辛味のある味噌

をベースとした、つまり四川風が最高。豆板醤の旨味と辛さが味を引き締め

際立たせる組み合わせだった。

 キノコは旨味が多いのは良く知られているが、旨味は系統の異なる者同士

を組み合わせると相乗する。キノコの旨味はグアニル酸という成分が主だが

これは加熱によって核酸が酵素分解されることにより生ずる。つまり生で

食べると旨味は少ないという訳だが、殆どのキノコが生では人間にとって有毒

なので、加熱せずに食べる場合を想定する必要は無いと言える。

【ツラミと大根】

 この料理は私たち肉職人のソウルフード的な料理だ。冬の繁忙期、つまり年末年始の

風物詩ともいえる料理。ツラミは薄くスライスして、大根をトコロテンのように細切りに

して、煎り付けながら醤油と砂糖で味を調える。煮立ったら出来上がりで、後はストーブ

の上で保温しながら時折、卵を割り入れつつく。

 いつ頃から食べられていたのか定かではないのだが、うちの会長が子供の頃には

食卓に上がっていた、ということなので少なくとも70年以上は続くと思われる。

 この料理に関しては、詳しく調べたいと考えており、それは加古川で育まれてきた、

肉の文化を象徴するものだと感じているからだ。年数的にも、カツメシより歴史がある

と考えられ、都会に肉を売り、地元では残った内臓肉を食していた名残だろうと推察

しているのだが、どんな結果になるかが楽しみだ。

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 貴方の「これが美味しい!」という組み合わせがあれば、是非コメントに書き込んで

下さい♪

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