美味しいコロッケの話

 手前味噌で申し訳ないが、和牛うらいのコロッケは美味しい。

 と、私は思っている。

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 あれは今から25年ぐらい前。

  まだ私が社員として働かせてもらう、ずいぶん前の話。

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 飲食て勤めていた私は、自分達が扱う素材について、もっと深く

知るために色々なお店で働かせて貰っていた。

 鶏屋、魚屋、八百屋、総菜屋。

 色々な会社で働かせて貰い、勉強出来ている!

って実感が湧いてきていた、あの頃。

 と感じていたのだが、どうにも学ぶに学べないと

思っていた食材、素材があった。

 そう、肉。

 特に牛肉。

飲食時代は、特定の部位を使う事はあったが、

全ての部位を使える訳でもなく、ましてや

1頭を使いきる、なんて想像も出来なかった時代だ。

 肉について学びたい!

 と思った私は、お店の常連さんに頼み、肉屋に

修行に行っている同級生の伝手を借りる事とした。

 当時は2人で競い合い、おのおの腕を磨き

「俺の方がすげえだろ?」

と、張り合っていた(笑)

 そんな中、先に牛肉を学びに行っていた

奴の動きが気になって、気になって

仕方がなく、どんな手を使い、私も学んでやろうかと

画策していたのであった。

 繁忙期にお手伝いさせてただく事はあったので、

私の願望はすんなりと受け入れられ、勉強させてもらえる事に。

 その時はまさか、自分が何十年も働く事になろうとは思っても

みなかったが、人生はどこでどうなるかなんて解らない。

 そんな勉強させて貰っていたある時に、お礼でコロッケ

を貰い食べたのが、うらいのコロッケとのファーストコンタクト。

 あの時の

「うまっ!!」

という感激が、今も強く残っている。

 それとともに、とても思い出に残っているのが

「肉に拘るのは肉屋やから当たり前や。」

「でも、コロッケはじゃが芋が1番多いやろ?」

「1番多い原料に拘らなあかんと儂は思うねん。」

という、現会長のコロッケへの愛情、情熱に一番

感銘を受けたのかもしれない。

 それ以来、私はうらいのコロッケファンになってしまった

のだが、それは従業員となった今でも変わらないのであった。

 

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