私はミートパイが好きだ。これまで、様々なお店のミートパイを

食べ歩いて来た。

サクサク

フワフワ

トローリ。

ジュワー。

 数々の銘品を口にしてきた私は、自分で言うのも何だが、

ミートパイのプロフェッショナル。

美味しいミートパイは逃さない。

そんなプロフェッショナルな私が、つい最近気が付いた事がある。

 それは、

 ミートパイ、ミートのパイ。いや、中身のミートって

.

お肉屋さんの領域やん…

.

 自分の仕事とめちゃくちゃ関係ある事に、ようやく気が付いた私であった。

.

 自分で作れる事にようやく気が付き、遅ればせながら

 開発に取り掛かる。開発期間は意外にも短かった。

それもそうだろう。私はミートパイのプロフェッショナル。

これまでに何百個ものミートパイに触れてきた。

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肉屋のミートパイは中身で勝負。

 ミートパイは、パイと中身、フィリングの2つに分けることが出来る。

まず、パイは肉屋の専門外とみていいだろう。勝負は中身、フィリングにある。

調理する事に関して言えば、パン屋さんや飲食店さんに一日以上の分はあるだろうが、

我々には最高の原材料、肉を準備する環境が整えられている。

 これは大きなアドバンテージだ。これまでの経験からして、フィリングに使用されて

いる肉はほとんどが輸入品。販売価格によるがまず間違いない。このお肉を美味しい

フィリングにする為に、トマトなど野菜系の旨味や、牛そのものの旨味をプラス

(イノシン酸+核酸)し、それにジューシー感を持たしていると思われる。

あとはチーズなどで旨味を相乗して提供すれば、とても美味しいフィリングとなる。

 近年の食品開発は、とても科学的。人が美味しいと感じるメカニズムを解き明かし、

最適解から多数が好む味を構成、構築出来る。

 ある意味、美味しくない製品は淘汰されてしまっているかもしれない。

 ところが、これがどこかで食べた味、似たような味の一員となる。

このジレンマに陥らない、有効な手立ては原材料の差別化だ。

例えば、肉を美味しくする添加物は、肉から抽出したうま味成分を+する

方法と、魚介や野菜などのいわゆる出汁を+する方法の組み合わせにより

行われる。製造するメーカーが違えど、その添加物そのものを製造するメーカー

はそう多くはない。これが似た味になる原因の1つ。

 さらに、流行などの影響はあるが美味しいと感じる、好ましい味の組み合わせは

大体同じ雰囲気になり、多種多様な食品が溢れる現代において、口にしていない、

体験していない未体験の味を実現するのは難しい。

 それに比べ、我々の原材料は特殊だ。また、肉は取り扱いによって、味の伸びしろ

をうんと伸ばす事も出来る。いわゆる熟成だが、ただ単に時間をかければ良いのではなく、

どのような温度で、どのような方法で熟成させるかによって、同じ肉とは思えないぐらい

変わるのだ。

 この原材料と、肉を取り扱う技術と知識が、フィリングに決定的な違いを生む。

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 美味しさに対して、ここまで自信を持って言えるのは、大学との共同研究という、

科学的なバックボーンによるところも大きい。これまで6年間、さまざまな種類の

肉をさまざまな条件下で官能試験を繰り返し行ってきた。その中には、企業の

性能評価に帰するものもあったり、純粋な学問、研究として行ってきたものなど

多岐に渡る。

 これまで守秘義務に触れる事から、余り公開してこなかったが、期限を迎えるもの

もあり、こういった取り組みについても随時情報公開していこうと思っている。

 研究はなかなか売り上げにすぐ直結、という訳にはいかないが間違いなく、

私の肉に対する思いを深めてくれた。

(※共同研究先 神戸大学大学院農学研究科 兵庫県立工業技術センター

兵庫県立産業技術センター TOPPAN(旧 凸版印刷株式会社)

住友ベークライト株式会社)

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完成…はあともう少し

 そんなこんなで試作品を会社のみんなに食べて貰ったのだが、

結果はみんな大絶賛。

 特に、海外出身の人間に評価が高かった。(アメリカ人)

マイ、フェイバリットパイ!ベストオブベスト!!

って、言っていたような気がする(笑)多分。

 自信を持ってお勧めできる、美味しいミートパイはひとまず

出来上がったのだが、販売はもう少し先になりそうな雰囲気。

 ビックリするぐらい、美味しいミートパイを造ろうと、ふんだんに原材料

を投入した結果、原価がえらいことになり、そこをちょっと何とか出来ないか

工夫したり、販促物や製品シールの制作、あとは販売方法の考察(焼いて提供

or冷凍の生、等)や包装材の選定など、もう少し時間はかかりそうですが

是非、皆様期待して待っていてください!

 と書いてみて、私のブログを読んでいる人の少なさに今、気が付いた

次第です。

 それでは次回。

 

 

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