小学生の頃から慣れ親しんできた六甲山。

当時、尼崎に住んでいた私は、阪急塚口駅から六甲山に向かっていた。

お気に入りのルートは、滝の茶屋から風吹岩、山頂のコースだったが、

有馬から向かうルートも気に入っていた。

特にその道中で見れる、氷瀑が冬の楽しみの1つだった。

今回の山行は、そんな小学生の頃の思い出を頼りに、

氷瀑を久しぶりに見てみたい!という事で行く事とした。

当時の私は、今の私からは想像もつかないほど運動神経抜群で、

六甲山程度の山であればスルスルと登ってしまう力があった。

武勇伝みたいに聞こえてしまうが、とにかく元気で活発だったのである。

今でも、どうやら心は少年の模様だが、身体はしっかり中年で、貯めに貯めた

脂肪のお陰で少し登れば息は上がり、心臓は波打ち、目の前は霞むのである。

しかしながら、あの日見た風景を、もう一度みたいと願う気持ちが僅かながら

上回っていたお陰で、何とか氷瀑までたどり着く事が出来た。

当日はかねてよりの最強寒波が舞い込み、前日の天気予報もあたり雪がちらつく中、

これは最適なコンディションだろうと奮起して向かう。

目指すは紅葉谷からの、七曲滝。

かつて御影石を切り出していた場所は、一面銀世界。

最近の六甲山では珍しいのではないかと思う。

いくつかの防砂ダムを抜けると、いよいよ核心の七曲滝へ。

七曲滝への分岐は、迂回路 (この先、初心者危険)と書かれている

看板の先にある。ここは殆どのキャリアが通信出来ない場所なので、

装備や体調に不安がある場合は行かない選択も必要だ。

また、私が向かった日は分岐先は完全に凍結していて、軽アイゼンや

チェーンスパイクが必要なコンディションだったので、注意が必要だと思う。

分岐を進み、枯れ沢のガレ場を下り少し進むと、ガマ滝が見えてくる。

水量はそれほど多くは無いが、高低差で10mはあるであろうこの滝の

そばを細い登山道が続いている。虎ロープが張っているが、体格のすこぶる

良い私はその道からはみ出てしまうほどの細さだ。また、取りつきには

落ち葉が溜まっていて、アイゼンなどの装備が無ければ滑って滑落も

あり得る場所でもある。

この日は、先行パーティーが1組と、ほとんど同じタイミングで入った

外国人らしき男の子が1人いただけ。流石の人気スポットでも、平日は

空いている。

この外国人の彼は、足元を見るとなんとスニーカー。

ガマ滝の直下へ下る垂直に近い場所を、古びた虎ロープを伝いながら降りて行った。

彼は落ち葉の先は進めないと判断し、高巻きで七曲滝に向かう作戦に出ていたのだ。

うん、今の私には不可能な選択だ。

抜群の行動力と体力を誇る彼はインドネシア人らしく、流暢なに日本語で説明してくれた。。

自然が好きな事。六甲山が好きな事。

仕事休みの日はこうやって探検に勤しんでいるそうだ。

海外の方にも、六甲山や日本の魅力はしっかりと伝わっているのは嬉しい限りである。

さて、私の方はどうにかこうにか、氷瀑に辿り着く事が出来た。

愉しんだ後は六甲山頂に向かう。

頂上で入れる、コーヒーが美味い。

自分へのご褒美に、北海道で買ってきた茶菓子も美味い。

七曲滝を久しぶりに見れて本当に良かった。

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