地球温暖化が言われる様になって久しいが、今年の冬は例年になく

寒い冬だったと思う。

 ここ数年、真冬でも外においてあるバケツの水はなかなか凍らなかったし、

霜柱がせり出す地面を、ウキウキしながら歩く事も出来なかった。

 山では雪不足が著しかった。例えば、兵庫県最高峰の氷ノ山なんかは5月頃まで

残雪の影響がありチェーンスパイクは必須の装備だったが、今では5月はおろか、

4月でさえ通常の登山靴で挑めてしまう始末。

 それが今年の冬は、息を吹き返したかのように寒かった。

 その寒さが、季節特有の

「そうそう、冬ってこんな感じだった!」

を思い出させてくれた様に思う。

 朝、家を出た時に霜柱を踏む。

 バケツの水は全部カチコチ。

昼を過ぎても、日陰のバケツはまだ氷で、薄っすら周りが融けた

事により、クルクルと回る。

 夜中、吐き出す息が凄く白い。コンビニの駐車場で、人の顔が見えなくなるぐらい。

 真夜中の空気を肺一杯に吸い込むと、何ともいえない感覚になる。

 空の青が深い。

 夜空の星が煌めいている。

 しもやけになりそうな、手足の指。

 自動販売機の温もり。

 どれも、子供の頃に味わった感覚だ。

 その全てが懐かしく、喜びにあふれた記憶だった。

 大人になって、冬の感覚を忘れていたのか。

 特に意識してこなかったのだが、久しぶりに

寒かったお陰か、そういった懐かしい感覚を思い出す事が出来たように

思う。

 因みに、冬が寒いのはお肉屋さんにとっては朗報。

 冷蔵庫と変わらない、肉にとって理想的な環境で仕事が出来るから。

 肉に良くても、人にとっては大変なんですが・・・(笑)

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