今回は肉と何の関係もない、私の趣味の話。

 題名はただの自己満足に過ぎない事を、先にお断りしておく。

 幻?!

 そんなすごい木の実を見つけたの?

 と、聞かれれば

 「まあまあ幻。。。かな?たぶん、ちょっと珍しいというか(;^_^A」

ぐらいなんだけど、それなりに珍しいであろう木の実を探し出したというお話し。

サルナシ

 その木の実の名前は、サルナシ。

 系統的にはキウイフルーツの近縁種で、親戚には

猫が大好きなマタタビがある。マタタビの実も食べれるが、こちらは

かなり辛味のある味で、キウイの系統とはいえ、味わいからは想像できない

かもしれない。

 又旅(再度、旅に出る)に行けるぐらい、精がつくという意味から

マタタビという名前になったと言われている説があるらしく、ものの

名前、語源にはドラマがあると感じる。

 さて、サルナシはと言うと

猿が好んで食べるから

だそうだ。うーん、ネーミングにひねりは無いな・・・

 ただ、このサルナシさんは逸話がなかなかユニークで、数ある中でも

猿が収穫(?)したサルナシを、木のウロなどに貯めておいたものが

天然の酵母や雨露により酒が出来上がったという、猿酒の伝承が山間部で

は言い伝えられてきたそうで、一説によれば猿が食べかけのサルナシを、

食べ残しに混ぜた事によりいわゆる”口噛みの酒”が出来ていた、なんて

お話しもあるそうだ。(真偽は不明)

 こういう話をすると、ますます幻の木の実に近づいて来たのではないだろうか。

 また生育地もなかなかレアだ。

 もともと寒冷地で自生している品種だそうで、特に関西圏では標高の高い山にしか

生えていない。また沢沿いを好む傾向から、高所の険しい地形にのみ自生する。

さらにつる性の植生から、他の木々や地形に沿い高所で実を付ける事から、そもそも

見つける事が難しいのだ。

 サルナシの味は、絶妙な甘酸っぱさ、と形容できるだろうか。

 また、良く熟した実からは豊潤な香りがして、1度で2度美味しい

素晴らしい果実なのだ。

 私はこのサルナシを運よく見つけたのだが、何も自力で見つけた訳

ではない。山が好きで、天然食材を探す事が趣味の私も頭上数十m上に

成る僅か数センチの木の実を判別する能力は無いし、つる性という植生を

知っていたうえでも、蔓なんて山の中至る所あちこちに生えていて、全てを

つぶさに見て回るなんてことも出来ない。

 サルナシさんを見つけれたのは、ある生き物のお陰だ。

 その生き物とは、ツキノワグマ。

 私の知る限り、野生動物の中で最も山の幸を知るのがツキノワグマ。

季節で、場所で、どこで何がいつ取れて食べれるのかを知り尽くしている。

 たまたま登っていた、朝来市のとある山中でツキノワグマを見かけたのが

きっかけである。当初の目的は鉱山遺構を探しながら登山をするという目的

だったのだが、ツキノワグマを見かけたことにより進路変更。

 当然、とても危険な生き物であるが季節も10月だったため恐らく冬眠前の

食事中だったのではと想像し、沢沿いだった事から何か生えているだろうと

探してみると見つけたのである。

 

 見つけた時の感動、ひとしきり。

 以前、マタタビの実を探した時についで程度で調べていたので、もしやと

思い半分に切ると、中身はキウイ。

 おおー!!

 コレはもしや。。。

 食べてみると、甘酸っぱい。

 サルナシや!

 兵庫県の山でも、自生してるんやな~

 と、とても感動した。

 同時に、ツキノワグマの美食さ加減と、貴重な山の幸で野生動物の大切な

食料である事を実に体験し、食事中の邪魔をしてしまった事を少し後悔した。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です