コシアブラ。

 それは山菜の女王と呼ばれ、珍重されている。

 兵庫県内で色々な場所のコシアブラを見てきたが、

生息が多いのは日本海側の山地だと思う。タラやウドと

同じ様な場所に生えているんだが、コシアブラが生えていると

タラは無い場合が多い。ウドもしかりで大体、森の生え際

に居るイメージだけど、同じ科(ウコギ科)同士で場所の

取り合いをしているのかもしれない。

 寒い地域のイメージがあると思うが温暖な場所でも結構

生えている。私がいつも良く行く加古川の山でも生えてるし、

日本海側の山まで行くのが大変なんで時間の無い時は社の

山中にある、秘密の場所で私は収穫している。

 独特の芳香が強く、少しクセのある味。

 だけど、その芳香がたまらなく美味い。

 天ぷらは最高だし、さっと湯掻いて

醤油漬けにするのもお勧めだ。

 作り方は至って簡単。

 醤油3に対し、

味醂1と日本酒1。この2つを先に煮切っておき、

火を止めたところに醤油とニンニクひとかけ、

鷹の爪1本を入れておく。その調味液の中に

さっと湯掻き、冷水で冷やしてから水気を切った

コシアブラを漬け込み、次の日には食べられる。

 この醤油漬けはもう3年連続で作っていて、

この辺の収穫期が4月頃になると山に行っては

芽の出かたをずっとチェックしている。

 山が好きで、それが高じて猟師になり、

猟に取り組んでいくうちに山菜も楽しむ

様になった。新たに覚えた山菜もあるし、

昔に教えて貰った記憶を頼りにしたもの

もある。

 趣味はいい。

 日頃の疲れを吹き飛ばし、好きな事に

没頭する。それによって生まれる新たな出会いや、

興味が知識を得たり人生を豊かにしていく。

 そういえば、コシアブラを調べていて気になる情報を得た。

コシアブラ、漢字で書くと

「金漆」

と書くそうで、何でもその昔はコシアブラの樹液を

金属の錆止めに使っていたとか。

アブラと名前にも入っていることから、脂肪分が

豊富な何かがあるのだろうが現在ではその製法は

失われてしまったそうだ。

 錆止めなんて、現代ではもっと優れたものもあるのだけど

失われた技術、知識ってなんかワクワクする。

私自身、自分の精神年齢が低い事は重々承知している

ので、この情報には中二心をくすぐられまくっている(笑)

次の目標は、醤油漬けじゃなくて錆止めにしてみようかな。

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