会場入り口付近で、肉職人による豪快なBBQでお出迎え。

塊肉の焼き方と嗜み

 この塊肉BBQは、構想実現にかなりの時間を費やした。

 練習は志方東公園で、今回の販促用の写真撮影も兼ねて実施。

イベントポスターに使用されている写真は、この場所で撮影したものだ。

 また提供にあたり、㈱ヒライの社長が入念に準備をして下さった。

まず、このBBQは販売を伴う事、そして志方の名を冠するには味や

魅せ方に妥協しないことなど、何度も打ち合わせを重ねた。

 本番前に志方東公園での練習を経験し、思ったより遥かに調理時間

が必要な事を事前に知り得たのは非常に大きかった。何事も経験に

勝るものはない、とよく言うがまさにその通りだ。塊肉を丸ごと焼き

上げるのは簡単そうで、なかなか奥が深い。

 何も考えずにぶっつけ本番で生のままで持ち込めば、焼き上がりは

営業時間を軽く超えるのが想定出来たのは収穫だ。これにより、事前に

低温調理を施したり、下味をつける事や、実食の際に気になったどのぐらい

脂を落としながら焼き上げるのが良いかなど、格段に精度が上がったと言える。

 また焼き上げていく際に、表面の脂が落ちて燃料の炭で引火し、大きな火が

出る事で表面が焦げていく現象を確認出来たのも大きかった。過度な焦げは

味を再度整える事は不可能に近い。演出としての出火は目を引くパフォーマンス

となり得るが、それで美味しさをスポイルするのは本末転倒だ。

 かくして本番に挑む事になったのだが、ここで大きなミスを犯した。

火を起こすのが圧倒的に遅かったのだ。開場が16時、練習でも安定した

火力が起きるまでに1時間以上を要したにも関わらず、打ち合わせが長引き

15時半からようやく着火。しかも練習では大風力のファンがあった訳だが、

今回はそのファンも無い状態で、だ。

 その後も本部を訪れる知り合いの対応などをしている内に、着火した

炭は幾度となく沈黙。ようやく種火に育ちだしたのが17時頃。来場者が右肩上がりに

増えていき、各店舗に行列ができ始めた頃、私はまだ種火を育てあぐねていた、、、

「うわ~!凄い美味しそう!」

「この肉、何キロの塊ですか?」

「これって部位何ですか?」

「凄ーい!!」

「これは販売していますか?」

「何時に焼きあがりますか?」

「Oh!wonderful!」

 次々と頂く、来場者さん達の感想。

私はというと、種火にプラスチックバットを煽ぎに煽ぎ、必死に育てていた。

返せるお返事は、ただただ一辺倒だ。

「あと1時間ぐらいしたら焼きあがります!」

「お写真だけでもどうぞ~」

そうは言うものの、薄暗くなってきた河川敷で、これでもかと

バットで煽ぐ種火はなかなか育たない。あと1時間したら焼きあがります、

は30分前にも言っていた気がする(;’∀’)

お陰で写真はものすごくたくさんの方に撮って頂いた。

その写真の中には、おそらく必死にパタパタしている

私も写り込んでいる事だろう。

 幾度目かの後1時間、という方便(?)

(お待ち頂いた方々、誠に申し訳ございませんでした。)

を述べた頃、急激に

火が育ち始めた。「おお~!!」そう言って、喜んだのは

私だけではない。

 幾度となくこの場所を訪れ、

「いつ頃に火が上がりますかね?」

と聞いて下さっていたのは、とある新聞会社の記者さん。

第三回ジャパンビーフフェスティバル前夜祭の目玉企画と

いう事で、カメラに収めれるのを今か今かと待って下さって

いたのだ。その時間、恐らく2時間以上。。。

 大変長らくお待たせいたしました。

 種火がようやく育ち、滴り落ちる黒毛和牛の脂が、炭に落ち

煙を上げています。もうすぐ火も立ち始めるでしょう。

 カメラの向く先は、何があるのだろうか。

 きっと、報道のカメラマンが視線を注ぐ先には、何かワクワクする

ものがあるのだろう。と、私も思うし、きっと私の周りにいた方々も

そうだろう。取材されている様に見えたのだろうか、自然と人の集まりが

多くなってきた。

 今がチャンスかも?

と思い、焼き上がりの時間を逆算して思い切って時間指定をしながら

焼いていく。

「7時ごろには焼きあがりますよ!」

この呼びかけに、なんと知り合いの出展社さんが反応してくれ、

「1時間後にまた来ますね~」

と予約して下さった。

 そこからはお写真どうですか?と7時に焼きあがります!

の2パターンで進めていく。

 いよいよ19時、時間となったところで、先の予約をして下さった

出展事業者さんへ案内する。

「お待たせ!そろそろ焼けるよ~」

 1つ売れると、その次は矢継ぎ早に。

結果、準備していたブロックは全て販売。

骨付きサーロインの魔力は凄い。

 

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