私は和牛うらいで働く傍ら、猟師として活動している。
猟師となってから、丸5年。
少しづつではあるが、着実に経験を積み重ねてきた。
小さいころから自然が大好きで、近所のボーイスカウトのおじさんに
誘われ山遊びを始めたのが4,5歳の頃だった。この頃の私は、他にやる事が
ないから行くというか、とりあえず楽しいオジサンたちと山で遊ぶことで
独り身の寂しさを埋め合わせていたのかもしれない。
次に熱中したのが、小学校5年生の頃。当時の担任がワンダーホーゲル部
出身、生粋の山屋。小学校5,6年と担任して頂いた、G先生に影響されこの時の
体験が今に至るまで、私の好山病に深く関与している。
このG先生、季節を問わず低山から高山まで、様々なシュチュエーション
を体験させてくれた。まさに、恩師と言うべき存在である。
特に思い出深いのが、真冬の氷ノ山。
アルパインの虜になったのは、この時の体験からだ。
それから毎年のように、季節を問わず氷ノ山を訪れるようになり、それは
今でも変わらない。メタボリックになった事と、しばらく山から離れた事で
本格的なアルパインは出来なくなったが、残雪期に赴くと当時の感動が蘇ってくる。
一面の銀世界、誰も居ない、風の音だけの世界。
360度、全ての視界に人影はなく、あるのは自分の足跡のみ。
と、そんな感じで大好きだった山と
肉を得る狩猟と
近所の常連さん達が、山に住むケモノに困っている、
この辺りが合わさって猟師になろうと思った次第である。
猟師として活動していくに辺り、1点悩みなのが12月。
お肉屋さん1番の繁忙期である12月は、どうしても活動する事が
難しい。罠を仕掛ければ、責任を持って見回りしないといけないし、
銃を片手に山に入っても時間の制約が付いて回る。
出来ない事を悔やんでも仕方ないので、出来る事とやるべき事に目を
向けているが、いつか12月に思いっきり山で楽しみたいな、なんて思う。
まあ、腕前の伸長は遅々ながら肉にするという事に関してはプロ
のはずなので、ここを武器にこれからも頑張っていこうと考えながら、
今の心境を綴ってみた次第。