って何だろう?
を考察する回。
(あくまで和牛うらい基準)
スジを美しく引く(磨く)のに、最も大事な事は何か。
道具?
技術?
それとも心構え?
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あくまで私の主観だが、
武道で良く聞く
心・技・体
これが正に真理を得ているな、と思っていて最も
大切なのは、心と考えている。
それは心構えが出来ていないと、始まらないし続ける事が出来ないから。
肉に向き合う、職人としての心構えが無いものに、上達の道は見えない。
お次は、技術。
何回も向き合い、チャレンジし、高めていく技術。積み重ねた
その先に、満足の出来る結果が待っているのか、待っていないのか
は解らないが、長ーい道のりになる事は違いない。
肉職人の肉を磨く技術とは、主に利き手で振るう事となる包丁を
取り扱う技術の事で概ね合っていると思うが、私は指導する際に
「左を制する者は肉を制する。」※利き手が右の場合
なんて、まるでどこかのボクシング漫画からパクったようなセリフを
使う。
なんのこっちゃ?
と思う人も居るだろうが、まあ私の言う意味が解る人は何かの
職人だろう。利き手ではない、もう片方の手でスジや肉の塊をコントロール
する技術は利き手が思い通りに動く以上に難しい。
それは利き手でない、からで利き手でさえ、修練に一定の期間が必要と
される職人の技術習得で、普段あまり使わない手の扱い様を思い通りに
コントロールする事、その難しさたるや意識すればするほど、上手く行かない。
しかし、その状態では片手で仕事している様なモノだ。両手を思い通りに制御
出来て初めて美しい仕事が成り立つ。そういうものなのだ。
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その他にも、処理する肉を置く位置や、身体の向きなども意識しなければ
良い結果は生み出せないだろう。良い仕事は良い姿勢から。所作が美しければ
それは仕上がりに現れる。
何も、バレリーナの様になれと言う訳では無い。あくまで、自分の骨格に
出来る範囲での話であって、私なんかは兵庫県で最も足が短い肉職人ではない
かと危惧しているが、仕上がりには自信がある☆
最後は道具。
包丁については以前の記事に少し書いてみたが、道具も勿論大事。
同じ職場で働く職人でも、その形や種類、運用にはかなりの違いがあり、
包丁だけでも10本ぐらいは記事が書けるほど奥深い。
ただ、1点共通するのは
切れ味。
これに欠く包丁が、つまりあまり切れない包丁の方が
肉磨きに適していると言う職人さんと偶に会うが、総じて大した事が無い。
理由を聞くと、スジが切れてしまうからと答える人が殆どだが、私に言わせれば
それは利き手でない手のコントロールが未熟なだけだ。
私の師匠に良く言われたのが
「肉は切れんけど息はよく切れるな、お前の包丁( ´∀` )」
なんて特大の嫌味を言われたりしたものだが、正にそうで
まあそういう包丁を使う人は仕事が遅い、或いは汚い。
もっぱら両方だが。
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技術は金にならんとか言う人も、自分自身の価値を下げている。
そんな価値の低い人が切ったり、磨いた肉で果たして価値を得られるのか。
この場合の価値とは、お客様から得る対価、つまり売り上げになりそれは
自らの給与の源でもある。肉に価値を付与し、活かしてこその職人であり、
私は包丁1本で稼げる、そんな職人に成りたいと思う。