最近、嬉しい事に

 「肉の勉強がしたいです!この会社で学ばせて下さい!」

という依頼が後を絶たない。

 そういう時に必ず聞く事が

「どれぐらい学びたい?」

更に、もう1つ。

必ず言う事が

「めっちゃ時間かかるよ?」

の2つ。

 スタート、ゴールの設定次第でこの

 肉職人になるまで何年かかるのか?

の問に対する答えは変わるが、例えばゴールの設定を

和牛うらいの現行業務で、陳列を作れるようになるまで

という風に設定すると、最短で10年という感じになる。

 なげぇ・・・

 と、思った方

 そりゃそうだろ

 と思った方

色々な感想があると思いますが、私の感想は

なげぇ・・・

なんですよ、はい。

 昔、何かの番組でホリエモンが寿司職人の修行について語っていたのを

聞いた時に、この話はうちの業界にも通じるわって感じた事があった。

 ホリエモン曰く、

「寿司屋の修行は無駄。学校作って、2年学ばせて海外に出店させたらいい。」

こんな感じだったかと思う。

 この考えには、一部賛同するところがあり、それは

修行にむやみな時間を掛け、我慢させてライバル店を増やさない業界発展の阻害

的な考えではいけない、という部分。

 私個人的には、ホリエモンという個人に対しての好き嫌いはそんなにない。

数度、お話しした事があるがとにかく切り替えの早い人だった。

興味を引く話題でなければ、無駄な事はしない。というスタンスを

徹底されていて、ある意味では裏表の無い人だと思う。

 ただ、彼の発言や発信に対しては賛否両論で、今回の様に

賛同できるものもあれば、そうでない時もある。

 少し話は逸れてしまったが、要は肉屋の職人になるまでの

期間を、肉屋自らが

「長いのではないか?」

「もっと効率よく育てる事は出来ないのか?」

など、疑問を持ち意識や方法を改善する試みをしなきゃいけない

なぁと、ようやく私が気が付いて来た、という事。

 一人前になるのに10年かかり、そこから資金を貯めて、独立するのに

また10年。

 早めに始めて、20歳で志しても40歳。そこから、一発勝負して

やるという気にはなかなか成れない気もする。そんな流れだからこそ、

業界が発展しない。

 という、成長に着目した考えも大好きなんだが、もう1つ別の視点もあって、

命を頂く事でしか、成り立たない商売の肉屋を、どんどん発展させていけば

大量の命が必要になるぞ、という逃れられない現実。

 資本主義的に考えれば、そういった考えこそが業界の発展を阻害する考え

なのかもしれないが、せめて自分に考えつく範囲の視野や視座は、背伸び

してでも持っておきたい。

 ともあれ現状では、和牛うらいの定義する一人前の肉職人になるまでの

時間は10年であり、その重みにどうにかできないものかと藻掻いている私が

いる。

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