【第2回 和牛ワールドオークションは2024年4月5日(前夜祭)6日開催です!

 前回は生産の部分について書いてみた。

 今回は生産とその次を少し。

 生産部分でとても大事にしていると、外部から見て思うのが

「農家さんファースト」、な部分。

 一言で表すならば、手厚い。

 まず、市場で競りにかけられる枝肉は、必ず応援している。

それも、形だけの相場造りだけでは無く、しっかり応援している。

瑕疵のついている枝肉も必ず行う。恐らくだがそういう方針だろう。

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 業界関係者でなければ、ここまでの話でも理解出来ないだろうが、

つまり和牛マスターを主な出荷先としている生産者(飼育農家)

に関しては、どの市場で競りにかけられていても、もれなくそこに

仕入れ担当者を派遣し、市況価格までしっかり応援しているのだ。

書くと簡単に見えるが、並大抵では出来ない。どんな相場でも、買い切り

それを売り切る能力、そして仕入れるには目の肥えた担当者が複数必要

で、それを育てる事の出来るバックボーンなど、大企業が小売業者みたい

な小回りを利かせながら、スケールメリットを出すという、あり得ない

方法を採用している。

 これだけ手厚い心つもりがあれば、集荷に困る事は無いだろう。

 豊富な集荷は、販売を活性化しそれがまた生産者を集める好循環が

生まれていると見える。もちろん、沢山集めただけでは駄目だ。商売には

売り先が必要で、その売り先をどこよりも早く、海外と国内の需要バランス

を読み取り、先手を打ってきた効果が出ている。

 国内需要においては、流通大手から飲食店そのものや、畜肉がメイン商材

ではない卸売事者さんまで遍く営業を行っている。それも、各営業マンに成績が

付けれるレベルでコースが細かく設定されており、若手も大胆に重要コース

に抜擢するなど、単に人手が足りないから任せている、という投げやりな

営業では無く、未来を見据えた戦略を感じる。

 ここまで細かい設計は、いくら天才経営者といえども、1人では立案実行は

出来ないと思われ、言わずと優秀な部下が海千山千と控えている事を暗示している。

また近年多くなっている、いわゆるアウトソーシング、営業や配送を外部の

業者に委託している率は他のメーカーに比べ少ない。自社で出来る限り賄い、

アウトソーシングは大口の便に特化している様に見受ける。ここもけっこうな

ポイントだと私は見ている。外部に委託すると、一見合理化が図られ、経費は

減り一時的な利益は上がるかもしれないが、いわゆる単年の決算報告には上がらない、

人の介在する見えない評価というか、貸借対照表などに乗らない部分の力が

大きく働いている。

商売とは、どこまで行っても人

なんだとこういう事を改めて認識させられる。

 これはあくまで私の主観であり、しょせん加古川にある肉屋から見た

ごく狭い地域での風景に過ぎず、全国津々浦々全てがこうだ、という事

では決してないが、それでも肉業界に身を置き、現場を知る者の声として、

少しは参考になるのではないだろうか。

今回はここまで。

次回は、輸出に関して書いてみようと思う。

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第2回 和牛ワールドオークションは2024年4月5日(前夜祭)6日開催です!

 

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