極意だなんて、大層なタイトルとは裏腹に、ただの備忘録だったりする本稿。

以下に、私がこれまで行ってきた箱罠猟の取り組みを紹介したいと思う。


そもそも箱罠猟って何?

 そもそも箱罠猟を知らない方が居るかもしれないので、ここで軽くご紹介しておきたい。

箱罠猟とは、箱型の罠で狩猟を行う行為である。小型獣から、大型獣までこの方法で

捕らえる事が出来る。

 箱罠の仕組みは、簡単に言えば入口があり、その入り口が何らかの方法でおびき寄せた

獣に反応し、そのの扉が閉まる事で捕獲できるようになる。反応する仕組みは、既製品

や自作を問わず、獣の動作によって反応する場合がその殆どである。一部、リアルタイムに

箱罠を監視して仕掛けを発動させる仕組みの箱罠も存在するが、かなり高価でかつ、携帯電波

の届く範囲でなければその作用は得られない。

 私が使用している箱罠はメーカー製で、「ファーレ旭式」というブランドだ。

選んだ理由はただ1つ。安いから。初期費用を抑えるために本製品を選んだのだが、

私が購入した当時の価格を調べて見ると、59.800円であった。現在ではイノホイ

というショップが76.380円で販売していた。2割強、値段が上がっていて別途

送料も1万円程度必要なはずなので、実質的な価格は8万円台後半という感じだろう。

なお、罠の種類は『ファーレ旭式 ビックサイズ 片扉』である。錆止め加工が

している製品もあったが、私は自分で施した。

 本製品以外の箱罠を主体的に使用した経験が無いので、他製品との比較は

行えないのだが、価格だけ見れば2万~3万円程度は安いだろうと思う。その

差が捕獲実績にどうかかわるかは、私には語る事は出来ないが、お手伝いしたり

聞き及んだお話しで想像するに、扉の締まる機構、トリガーの差があるように

感じられる。

 本製品は、入り口の扉とトリガーをワイヤーで繋ぎ、トリガーと蹴り糸(獣が触れる部分)

を接続して、蹴り糸➟トリガー➟扉と連動して罠が発動する様になっている。

詳細は下記のURLをご参照頂きたい。

ファーレ旭式箱罠 蹴り糸の張り方

 このページでは、蹴り糸を罠の本体に委託してかけているが、私はそれを

行っていない。罠猟をやり始めた当初は動画の説明通りに行っていたのだが、

なかなか捕獲できない時期が続いた。それは、蹴り糸に獣が触れると、それ以上

進まず箱罠から出てしまっていたからだ。その対策として、見えないぐらい細い

糸を貼ればよい、と試してみたが私の狙っていたイノシシはそもそも視力が悪い

らしく、蹴り糸の細さが警戒心を解く、決定打にはなっていない気がしたからだ。

 因みにイノシシの視力は0.1程度と言われており、これは50m先に人間が居るか

居ないかがやっとわかるレベルだという。こんな視力では、蹴り糸の視認性の重要性は

私個人的には無いように思う。但し、光に反射するような材質のものは、避ける傾向に

あるし、金物(ワイヤー)も匂いで避けるように思う。これはセンサーカメラの映像で

確認しているので、ある程度は確信している。

 私流の蹴り糸を仕掛ける方法は、蹴り糸は罠の本体に委託せず、何らかの物に繋ぎ

その物を移動させるとトリガーが作動する様にしている。色々な物を試したが、山に

ありふれている物が良いようで、これは見慣れている、触れ慣れているから警戒しない

のだろう。石も良いのだが、最近の私は適度な長さの倒木を使う様になってきた。

 この方法の利点は、トリガーの作動するその瞬間を、箱罠の任意の場所で行える事だ。

何が良いのかというと、例えば本体に委託する場合、高さはある程度の調整は効くが、

トリガーの作動する場所はこのファーレ旭式の罠の場合、罠の中央部分にその機構が

あるのでその場所以外で作動させることが実質上、難しいのだがこの糸のついた倒木は、

餌に夢中になっているイノシシが、鼻先で除けた際に作動する点である。

 ここがものすごく重要で、普段行っている事をしている無防備な状態なのに、

トリガーが発動してしまうという、いわば日常を過ごしていたのに、気が付いた時に

は罠に懸かっていた、みたいな場面を想像しながら作ることが重要だ。そういった

工夫を積み重ねていくと、警戒心の高い大型のイノシシでも箱罠で捕獲できる様に

なっていく。

 水平に張られている蹴り糸は、私の経験上、鼻先で箱罠を捜索している際や

餌に向かって箱罠の奥に移動する際に、首筋やたてがみに触れ、そこから後退して

しまう場合が多い。ウリボウなどの幼体ではこの警戒を見かける事は少ないが、

2歳から3歳ぐらいになってくるとそういう行動を行う個体が多いように思う。

 これは考えてみれば、横に強く抵抗のある何かが、自然界にはあまり存在しない

のだろう。木や草は、基本的に空に向かって、つまり地面から垂直に生えている場合

が殆どであり、その辺りも関与しているのだろうか。

良く獲れる箱罠の条件

 捕獲する頻度を上げる為には、様々な工夫が必要となる。

ざっとあげても、以下の条件がある様に思う。

  • ➀ 箱罠自体の性能
  • ➁ 設置場所(向きなど)
  • ➂ トリガーの作動する一連の仕組み
  • ➃ 誘引させる餌
  • ➄ 捕獲するまでの期間

 ➀の性能については、私の所有する罠に関する情報は先ほど述べさせて頂いた。

次に、➁の箱罠を設置する場所だが、これがかなり捕獲率というか、どれだけ獲れるかを

左右する大きな要素だと思う。

 大型獣に対応している箱罠は、総じて頑強でその分、重量が嵩み設置場所を

選ぶ。100kgを超える製品もあり、イノシシが色濃く生息するであろう山中に

仕掛ける事は、車道がなければ難しい。完成品ではなく、組み立て式であれば

車道から少し奥に設置する事も可能だが、捕獲後の搬出を鑑みると巻き猟ほど

奥地に置く事は現実的ではないだろう。

 また、接地する場所は平面が好ましいので、そうなると山中ではなく、

ある程度は人里から離れていない場所に設置する事になると思う。

平面が好ましい理由としては、、餌を食べる際に斜面だと食べづらいし、そもそも

そんな過ごしにくい場所は獣も好まない。断崖絶壁に住んでいる訳では無いので。

また、箱罠を移動させるのは大変だが、出来る限り奥地に設置する事は彼らの

生息地から近くなる利点があり、これはそのまま実績となって帰ってくる。

私が仕掛けている場所は、林道から歩いて3分程度の場所にあり、かつヌタ場

や水飲み場があり、平坦な場所で獣道の交差点に設置している。

 ➂のトリガーの作動する仕組みについては、先ほど詳しく述べたので

次回はに➃について述べたいと思う。

 

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