この題名は、世の中の肉職人へ送る言葉である!

 で、何に対して引っ張らないで?

という事なんだけど、それはお肉を引っ張りまくらないで、という

事である。以下、しがない肉職人が思う事を書き綴ってみる。

肉磨きを見渡すと・・・

 SNS全盛の今、肉を題材とした動画が溢れている。

 様々なお店や、会社、そして職人の方々がお肉について語っている。

この部位の特徴は・・・

そう言いながら、おもむろにお肉へ包丁を入れ、

バリバリ!!!ベリべリ!!!!!

 と力一杯、お肉を引っ張りながら

 と、いや、ちょっと待て、と。

 何を待て、ってそんなに引っ張ったら、中のお肉が裂けるやん、

さっき持ってた、包丁でさ、そこと、そこに切れ目を入れながら

こうやってこうしたら、そんなに力いっぱい引っ張らなくても

そこの部位は取れるよ?

 という事を言いたいのである、私は。

 その手に持っている、包丁は何のために握っているのか。

 私が修行中は、包丁以外で何かしようものなら

「職人やったら、包丁使ってせんかい!」

とそれこそ峰打ちされる事案だった。

 考えてみて欲しい。黒毛和牛の大きな特徴である、柔らかい肉質。

それを、例えばリブロースのカブリを外すときに、あんなに力一杯

引き剥がしてしまえば、ミカヅキや副芯、そして一番大事なロース芯

にも影響、出ます。裂けます。

 まあ、近年流通している部分肉は、一度真空包装して湯漬けしている

のでかなり締まっており、枝肉から直接部分肉を切り出していた昔とは

違うので、そういった技術や気配りが職人から職人へと受け継がれずに、

無くなってしまっているのかも知れない面はある。

 部分肉とは違う場合でのお話しだが、枝肉を大分割する時、

特にヘレ下げと肩割りを行う時は細心の注意が必要だ。

ヘレ下げ時に、体重をかけたり足で蹴って腰骨からヘレを引き剥がす

行為なんてしているのを見られると、列火のごとく怒られた。

お前の手に持っている包丁は何のためにあるのか?と。

 ただ、近年の和牛や、特に交雑牛は巨大化しており、包丁だけでは

太刀打ち出来ないバッファロー化しているので、ヘレ下げなんかは

体重をかけないと剥がれない様になってきている。そういった牛の場合は、

筋も身も固くて、そんなぐらいでは裂けないぐらい頑丈なんだが。。。

(という事は、硬いお肉って事ですね(;^_^A)

 裂けるに注意するという事は、お肉を大事にする事だ。

 命を頂いて出来る商売、貴重な資源を使い(餌の大部分は輸入)、長い年月を

かけ(和牛は2年半~)、私たちの手元に届く。それを活かすも、殺すも私たちの

腕、技術にかかっているのだ。お肉が裂けると、そこから空気が入り酸化が進む。

美味しさや、歩留に確実な悪影響を及ぼす事は間違いないのだ。

繊維方向、見極めてる?

 もう一点、気になる点を指摘したい。

繊維方向を無視した肉磨きについてだ。

この点については、またしっかりと書いておきたいと思っている

が、ほんとかなりの職人さんが繊維方向を意識せずに仕事している

様に見受けられる。それではまた次回。

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