第4話: ギネス記録の挑戦準備
2024年9月某日
ギネス記録への挑戦に向けた準備が本格化してきた。肉ケーキの制作チームが
結成され、加古川の誇る肉職人たちが具体的な設計図を作り始めた。
どの部位をどう組み合わせ、どんな形でケーキを作るか。ミリ単位の正確さで
計画を進めている。
それはなぜか。
肉を活かして、肉ケーキを作る必要があるからだ。
ただ、切るだけでは駄目なんだ。
「記録を達成するだけじゃない。見た目も美しいものにする。」
そして、その肉はどこをとってもプロの技が施されたものでなければいけない。
記録だけでなく美しさと、誇りをかけて挑む。
会場全体が驚くようなケーキを完成させることが目標だ。
なーんて、強気の発言が出来るのもなんとか達成できたから。
実のところ、悩みまくっていた。
ギネス公式の審査員が当日に厳しいチェックを行う。
この瞬間のために、全ての準備が進んでいる。
「もし、俺が失敗したら・・・。」
なんて事が頭を過る。
膨大な時間と、お金が一瞬にして無に帰す。
正直言って、初めての挑戦に不安しかなかった。
それでも、これまでの自分を信じて進むしかない。
その日はいずれやってくるのだ。