最近の私は、タコスに魅了されている。

私とタコスの出会いは、20年以上前に遡る。

肉屋に勤める前に働いていた飲食店で、出会ったメキシコ人の

おじさんにレシピを教えて貰ったのが始まり。

当時の私は料理に夢中で、自分の知らない異国の味に虜となり、

それから、家庭内でちょこちょこと作っては楽しんでいた。

あのメキシコ人のおじさん、今では名前も思い出せないが、

あの人との出会いがなければ私はタコスに魅了されていなかった

かもしれない。

そうして月日は流れ、タコスはあくまで個人的に家庭内で楽しんでいる

感じだったのだが、ジャパニーズ和牛ワールドオークションというイベント

に関わらせて頂き、海外の方と接していく中で、和牛を広めるには相手の立場に

立った、翻訳が必要ではないかと考えるようになった。

日本式の料理をそのまま、楽しんで頂く事も勿論大切な事ではあるが、

それではその国においての消費が極めて限られてしまう。

すき焼き1つとっても、割り下の概念から、醤油や生で食べれる卵に、

薄くスライスされた牛肉など、その国において日常的に使用する事のない、

調味料や食材、牛肉のカット方法が必要となる。

牛肉を薄くスライスし、調理する国はかなり少数派で、

殆どの国が塊肉か挽肉で使用するそうだ。つまり、スーパーマーケット

に買い物に行っても、スライス肉が売られている国は限られている。

これでは和牛の消費も進まないし、何より和牛の良さが引き出せない。

ただ、和牛を愉しむには何もかもが日本式でなければ進まない、

という状態では駄目だと思い、そこから思いついたのがタコスだった。

タコスは実に良い。

好みの具材を包み、食す。

シンプルだが奥が深く、無限の組み合わせ、楽しみ方があるように思う。

挽肉だけではなく、スライス肉を使ったタコスを今年の

第四回、ジャパニーズ和牛ワールドオークションでは試し

実に良い手ごたえを掴んだ。スライス肉のタコスのお話しは、

また別の機会にしようと思う。

さて、アメリカでは、テクノ・メクス料理という、メキシコ料理をアメリカ人

が解釈した料理ジャンルがあるそうで、いわば日本の町中華の様な業態

らしい。特にタコベルという最大手は、ケンタッキーやマクドナルドを

凌ぐほどの店舗数を誇るという。ファストフードとしてしっかり定着して

いるという事だろう。

以上の経緯から、和牛を活かしたタコスを開発してみようと思いたった。

そこで、昨年度のジャパンビーフフェスティバルin加古川で、初めて

お披露目した和牛うらいのタコス。このタコスは地元のブランド牛を

使い、志方牛アワードという創作料理コンテストで

「近畿農政局 地方参事官(兵庫)賞」

を頂く事が出来た。開場内での評判も非常に良く、日本人が解釈した

メキシコ料理は、日本人に受け入れられる事を知る事が出来た。

この経験以降、私はタコス開発を加速させていく事となる。

➤次回へ続く

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